園長になるか?それとも出勤日数を減らすか?迫られた決断、ついに転職を決意

今回は家族経営の小規模保育園から園長になるか出勤を減らすかの決断を迫られ、転職を決意したのり子さんにお話をお伺いしました。のり子さんには、英語保育をする企業の保育園から小規模保育園へ転職した時のエピソード、「面接で聞いていた話と全然違う?!もう働くのは時間の無駄だと感じて転職を決意」というインタビューをさせていただきました。

名前: のり子さん
年齢: 36歳
保育士歴: 6年
性別:女性
地域:東京都
雇用形態: 私立小規模保育園 正社員⇒私立保育園正社員

面接で聞いていた話と全然違う?!もう働くのは時間の無駄だと感じて転職を決意

2018.06.15

園長になるか?それもとも出勤日数を減らすか?

編集部
前回お話いただいた小規模保育園を退職することになったいきさつを教えてください。何があったのですか?
のり子さん
はい。前の職場は家族で経営している小さな保育園でした。子供や保護者との距離も近く、少ない保育士で働いていて人間関係では特に問題はありませんでした。

園が入っていたビルが取り壊されることになり、園を移転することになりました。前の場所からもそんなに遠くない距離でしたが、いい物件が決まらずかなり小さめの場所に移転しました。

編集部
小規模でさらに規模が小さくなっていったんですね。
のり子さん
はい。工事なども済ませて無事に移転できましたが、そのタイミングで子供がかなり減ってしまいました。今まで毎日通っていた子が、週に数回になったり、小学校のお受験の専門のところに変わってしまいました。

しばらくは、それでもなんとか運営できていたようでしたが、サマースクールの申し込みが減ってしまったり、プールが使えなくなってしまったこともあり、ずいぶん環境が変わってしまいました。

編集部
そうですか。。規模が小さくなり園児も減ると、経営も大変になりそうですね。
のり子さん
経営されていた家族も現役の保育士として働くには高齢となり、私が園長として働くか、給料を払えなくなるので、出勤を減らすかという選択肢になりました。園長になると、経営でも責任を負うことになり、改装費用の数十万円の返済なども業務になります。そこまで業務で負担を負いたくないと思い、退職することを決めました
編集部
確かに、赤字保育園の園長職は厳しいですね。

友人の昔の職場を紹介してもらう

編集部
今回はどのようにして職場を探しましたか?
のり子さん
家から近くの場所がいいと思い、区役所に相談に行きました。そこで、求人を出している園を教えてもらいました。以前、人間関係で苦労したので、ネットで口コミなどを調べました。最終的には自分が住んでいる区には働きたいと思う求人がなかったため、友人が昔働いていたところを紹介してもらいました

履歴書は今までの経験を前面に

編集部
履歴書の志望動機や自己PRはどのように書きましたか?
のり子さん
前働いていた小規模保育園ではいろいろなことを任されていたので、今までの経験を重視して書きました。例えば、クリスマス会などのイベントを企画、月間、週間のアクティビティの計画書作成の経験を書きました。なぜそのアイディアがいいと思ったのか、アクティビティを決める際に大切にしていることも書きました。
編集部
面接はどのように進んでいきましたか?
のり子さん
面接では今までの経験を詳しく聞かれました。ルームリーダーとしての経験、イベント企画、安全管理など、責任者としてどのようなことをしてきたのか面接で話しました。
編集部
その他にはどんな話がありましたか?
のり子さん
残業や書類作業が多いこと、発表会や運動会には休日出勤になることなど、業務に関する説明を受けました。あとは、あなたならこのような場合どう対応しますか?という質問がいくつかありました。

子供が泣いてばかりです、何を考えますか?
給食で好き嫌いが多い子はどうしますか?
子供が他の子を噛んでしまいました、どうしますか?

こんな風に、実際に起こる問題にどうやって解決策を見出すかという質問もありました。

戸惑いもある中、楽しい職場に転職が成功

編集部
実際に働いてみてどうでしたか?
ゆきさん
初めは人数の多さに戸惑いましたが、楽しく過ごしています。以前は人も少なく、限られた人数の中で毎日過ごしていましたが、規模も中規模なのでとても賑やかです。人間関係もうまくいっています。
編集部
最後に、転職を考えている保育士さんにアドバイスがあればお願いします。
ゆきさん
今は保育士不足なので、保育士の転職は難しくありません。探せばすぐに仕事は見つかります。もし仕事に不安を感じたら、思い切って他の園を見てみるのもいいと思います。

編集部より:経営状態の園を選ぶことも転職では大事

編集部
今回お話を伺ったのり子さんが勤めていた職場は家族経営の小規模保育園でした。小さな保育園がさらに小さな場所に移転し環境が変わり、園児も減り経営状態が厳しくなる中、経営者もご高齢になるという状況です。

そんな中、園長職になるか出勤を減らすか、という判断を迫られて転職を決意されました。

転職をする際、園の経営状況も知るというのは大切なポイントです。今回は勤務している間に状況が変わっていってしまいましたが、変わっていく可能性がある、状況が悪くなりそうな園は選ばない方が良いです。

経営状況は求人情報だけではわかりませんが、園の内部情報に精通しているキャリアコンサルタントならそのような情報を知っている可能性があります。キャリアコンサルタントに聞いてみるのも方法ですが、基本的にコンサルタントは経営状況が悪い求人をすすめてきません

なぜかというと、転職サイトを通して採用を決めると採用側はエージェントに60~90万円の報酬を支払うことになっています。経営状況が悪化している園は保育士の採用にお金をかけませんから、このような転職サイトを利用して求人募集を行いません。逆に言うと、求人掲載が無料のハローワークは経営状態が悪化している園が含まれていると思っても良いでしょう。

話が少しそれてしまいましたが、長く安定して、好待遇の職場で働きたいと考えているなら、園の経営状況も考慮して求人を選定していくことはとても重要です。転職サイトにはそのような「経営状態が良く好待遇の求人」も多くありますから、転職活動をするならぜひ利用してください。

2018