コールセンターのオペレーターから残業・持ち帰り・行事なしの院内保育所へ転職

私立の認可保育園で6年間保育として働き、結婚を機にコールセンターへ転職したすみさん。その後コールセンターのオペレーターから、残業、持ち帰り、行事なしの院内保育所へ転職した経緯をお聞きしました。

保育士の仕事は残業や持ち帰りが多く、家庭との両立は難しいこともありますが、すべての仕事がそうとは限りません。仕事以外の時間を大切にしたい場合は、院内保育所や企業内保育所を選ぶということもできます。

名前: すみさん
年齢: 43歳
保育士歴: 22年
性別:女性
地域:広島県広島市
雇用形態: コールセンター⇒院内保育所 正社員

オペレーターから残業・行事・持ち帰りなしの院内保育所へ

編集部
コールセンターのオペレーターから、どうして院内保育所に転職しようと思ったのですか?
すみさん
結婚に伴う転居で私立の認可保育園を退職後、残業無し、高時給、自宅から近いという理由でコールセンターのオペレーターに転職していました。

しかし、やりがいという意味では全く物足りず、また保育の仕事を探したいという気持ちで転職を考え始めるようになりました。

編集部
もともとは認可保育園の保育士さんだったんですね。どうして今回は院内保育所を希望されたんですか?
すみさん
保育士を辞めてから2年というブランクがあること、またクラス担任として責任感を持って仕事に取り組むことに対して自信が持てず、迷っていました。そんな時に病院内の保育所の求人を見つけたのです。

保育園に比べて行事や持ち帰り仕事がなく、残業もないという、私が不安に思っていた点が全てクリアされていて、やはり子どもに関わる仕事がしたいという思いが強くなり、面接を受けてみることにしました。

編集部
確かに、院内保育所や企業内保育所は大きな行事もないことが多く、持ち帰りの仕事も残業も少ないことから、プライベートを大事にしたいと考えている保育士さんには人気の施設ですよね。

2か月間ハローワークで求人探し

編集部
保育士としてまたお仕事をしようと思った時、どのように求人を探しましたか?
すみさん
漠然と転職を考え始めた時に最初に手に取ったのは求人情報誌でした。ただ、その当時はあまり保育士の求人は載っておらず、求人サイトに対しても無知だったため、ハローワークに出向くことにしました
編集部
ハローワークに求人は十分ありましたか?
すみさん
ハローワークの求人検索機で条件を入力し、出てきた検索結果をもとに転職先を検討しました。なかなか希望通りの求人はなく、面接を受けるまで2ヶ月くらいはハローワークに通ったと思います。
編集部
そうでしたか。ちょっと時間がかかってしまいましたね。
すみさん
そうですね。今はネットでもサイトがたくさんありますし、情報も日々更新されているので、それらを活用されると良いと思います。

志望動機や自己PRは今までの経験を前面に

編集部
院内保育所を応募するにあたって、履歴書の志望動機にはどんなことを書きましたか?
すみさん
一度保育の仕事から離れて、どれだけ自分に保育士という仕事が向いていたか気付いたという事や、とにかく子どもと関わりたい、一生懸命真摯に取り組みたいというようことを記入しました。
編集部
自己PRはどのように書きましたか?
すみさん
まず、認可保育園での6年の経験は私の強みだと思ったので、それを一番に記入しました。6年間で0歳児から6歳児まで全てのクラスの担任を経験していたので、それを生かしたいということも書きました。

その上でコールセンターでの経験も書き、一般職に対しても適応できるという事をアピールしました。

保育士は体が資本なので、特に経験がなくても健康であるという事も一つの長所になると思い、私はそれも記入しました。

院内保育所は仕事以外の時間を充実させたい人向き

編集部
面接はどのように進んでいきましたか?
すみさん
面接では事務局長と保育所の主任の2名の方に対応していただきました。最初に聞かれたのは、今までの職歴の事、特に認可保育園での事が中心でした。

そしてやはり聞かれるのは退職理由です。これも正直に、認可保育園は持ち帰り仕事も多く、勤務先と自宅が遠くなった事、家庭との両立が自分には難しかったという風に答えました。
結果、面接に合格して正社員として採用されました。

編集部
実際勤務してみて、院内保育所はどうでしたか?
すみさん
実際に勤務してみて、認可保育園と違ったのはやはり時間がきっちりしているところでした。定時で上がれるのはもちろん、持ち帰り仕事もほぼ無く、仕事と家庭を両立するには最適だったと思います。
編集部
そうですか、それは院内保育所に転職して大正解でしたね。
すみさん
ただ、残業がないので手当などは無く、お給料的にはあまり満足のいくものではありませんでした。職員のお子さんを常時20名程度預かるのですが、やりがいという意味では認可保育園でクラス担任をしていた時ほどの充実感は感じられませんでした。
給与面では認可保育園の方が残業などの手当がつく分、手厚かったです。
編集部
確かに。残業がなくなれば、手当もないですもんね。ただ、時間が限られている中で子どもと関わる仕事、という意味ではいいですね。
すみさん
そうですね。結局、その後またクラス運営をしたいという思いから認可保育園に転職する事になるのですが、保育士の仕事に対してブランクがあって不安だという方や仕事以外の時間も充実させたいという方には良い職場ではないかなと思います。
編集部
最後に、これから転職を考えている保育士さんにアドバイスがあればお願いします。
すみさん
転職の選択肢がいろいろあって迷われていると思いますが、転職するにあたって、自分が一番重要視している事は何なのか、それを客観的に見極める事が転職を成功させる秘訣だと思います。

全て自分の希望通りの就職先はないに等しいと思います。そんな中で、自分は何を一番大切にしたいのか、やりがい、給与、立地、園の規模、などどこを重視するのか、まずは考えてみると良いと思います。

そうやって自分で納得した選んだ仕事に対して、とにかく一生懸命取り組んでいると、人間関係は後から自然とついてくると思います。良い就職先が見つかりますように。

編集部より:働く条件を大切にするなら転職サイトを活用しよう

編集部
今回は認可保育園で6年勤務後、2年間のコールセンターのオペレーターに転職、その後、もう一度子ども達と関わりたいと願い院内保育所へ転職したすみさんのお話をお伺いしました。

女性は結婚や出産というイベントがあると、働ける環境が変わってしまいます。特に、残業や土日出勤、持ち帰りの仕事の多い職場は家庭との両立は難しいでしょう。

家庭との両立がしやすいとして挙げられるのが、企業内保育所や院内保育所などの施設、そして雇用形態でいえば、パートや派遣社員は残業が少なく、おすすめです。お給料の面ではどうしても少なくなってしまいますが、限られた時間内で子ども達と関わる保育の仕事に就いていたいのであれば、おすすめの施設・雇用形態です。

保育士はいま、いろいろな場所で求められています。ハローワークへ行って求人を探すこともできますし、保育士専門のサイトを使って求人を探すこともできます。転職サイトはすべて無料で利用できるので、ハローワークと並行して登録しておくと良いでしょう。選択肢がぐんと広がりますよ。

2018