新卒でクラス担任、残業や仕事量に耐えられず小規模保育園の臨時職員として転職

新卒で認定こども園へ就職後すぐにクラス担任を任され、その仕事量や責任の大きさに耐え切れず、小規模の保育園の臨時職員として転職したさくらさんにお話をお伺いしました。転職先の保育園は半年で辞めることになりましたが、自分の保育感を大切にし転職を決めたことは、良い経験になっていることに間違いないはずです。

名前: さくらさん
年齢: 22歳
保育士歴: 3年
性別:女性
地域:北海道
雇用形態: 認定こども園 正社員⇒小規模園 臨時職員

新卒ですぐに3歳児のクラス担任を任され、忙しい日々

編集部
最初に勤めていた認定こども園は新卒での採用だったのですか?
さくらさん
はい。就職1年目で右も左もわからないまま、3歳児クラスの担任を任されることになりました。
編集部
新卒で入社すぐにクラス担任ってすごいですね。
さくらさん
クラス担任は憧れだったので、とにかく頑張ろうという気持ちでした。でも、任されている責任感や、毎日当たり前のようにしていた残業などからだんだん疲れてきてしまいました。次第に子どもの顔を見るのも嫌になってしまいました。
編集部
それは大変でしたね。子たちの顔を見るのが嫌になるっていうのはかなりの危険サインですね。
さくらさん
とにかく、保護者からクレームが入らないよう、子どもの怪我には細心の注意を払っていました。子どもが帰ってからは山のような事務仕事に追われ、退勤し自宅に帰ってからも製作のための準備をする日々がずっと続いていました。休む間もなく、どんどん心に余裕がなくなっていきました。

同様に他の職員も余裕がなく、いつもピリピリした雰囲気の中勤務していました。憧れていた保育士の現実はこんなものかと、半ば諦めていましたが、他の園で働く保育士の友人は自分の時間も持ち、生き生きと楽しいそうに働いていることを知り、自分に合った園を探そうと転職を決意しました。

保育士の転職サイト「保育士バンク!」を使い転職活動

編集部
転職を決めてから、どのようにお仕事を探しましたか?
さくらさん
保育士バンク!という転職サイトに登録しました。夜寝る前など空いた時間でスマホを使って求人を探しました。
編集部
「保育士バンク」は保育士の転職サイトで大手ですね。登録してみてどうでしたか?
さくらさん
自分で求人を探してみて、気になった求人は転職エージェントに詳細を尋ねました

また園のHPや口コミなども調べ、本当に自分に合っている園かじっくり調べました。また、転職エージェントと電話面談を繰り返し、自分の求めている園の条件を伝え、それに近い求人を紹介して頂くこともありました。

でも、最終的には自分で探した小規模保育園の臨時職員に応募することになりました。

編集部
なるほど、エージェントに頼ってばかりではなく、ご自身でも調べていたんですね。転職サイトは登録すると、いろいろ情報収集できるのでいいですよね。

さくらさんが「保育士バンク」を利用した時の詳細はこちらの記事まとめました。転職サイトの利用を検討中の方は参考にしてくださいね。

「保育士バンク」は電話がしつこい?!実際に利用したリアルな口コミ

2018.06.11

志望動機にはポジティブに書く

編集部
臨時職員を応募する際、履歴書の志望動機はどう書きましたか?前職が厳しい環境だったことなど触れましたか?
さくらさん
志望動機では、私は子どもの人数の多い園で働いていたので、次は子ども一人ひとりと落ち着いて関わりたいと思い、少人数保育に惹かれているということを正直に書きました。

また、1年で認定こども園を退職してしまったことをマイナスに捉えられないよう、「残業がつらかった」ではなく、「自分の時間も確保し、余裕をもって子どもと関わりたいと思った」など、できるだけポジティブな表現で志望動機を書くよう意識しました。

編集部
そうですね、どんなネガティブで辛いことが前職であっても、志望動機には前向き書くことが大切ですね。前のつらい経験を次にどう生かすか、ということが書けたら前向きな内容になりますね。

自己PRはどう書きましたか?

さくらさん
前職の認定こども園では、保護者の相談にのる機会があり、その時に保護者から「肩の荷がおりた。相談してよかった」と言って頂いたことがありました。そのため、「子どもと関わるだけでなく、保護者の心のケアもできるという強みがある」という風に記入しました。

とにかく誰でも良かった?!職員が厳しすぎる保育園

編集部
面接はどのように進んでいきましたか?
さくらさん
面接は、園長と1対1で行い、家族構成や出身地、今はどこに住んでるのか、一人暮らしなのか等を聞かれ、てっきり子ども園での様子を細かく聞かれるのだろうと思い込んでいた私は拍子抜けしました。

面接はさらっと終わり、その後は自由に園内を見て回り、終了しました。

編集部
そうですか、子どもとの関わり方や今までの経験などの質問がないのもちょっと不思議な感じはしますね。
さくらさん
その時は気づきませんでしたが、この園は職員数がギリギリでとにかく誰でもいいから新しい職員が欲しかったのだと思います。
編集部
そうだったんですか。実際に働いてみてそう感じたのですか?
さくらさん
はい。働いてみると、職員の子どもへの態度がとても厳しかったです。子ども達も職員を恐れているようでした。

私は厳しく叱咤するのではなく、子どもの自由な発想を大切にして時には見守り、褒めながら子どもの成長を促していきたいという保育観を持っていました。

「ここは合わない!この園の考えに染まりたくない!」と思い半年で辞めてしまいました。しかし、転職したことは間違いではなかったと思います。

編集部
そうですか。自分の保育観を大切にして転職をするというのは大アリだと思いますよ。無理して長く働く必要はありません。

最後に、転職を考えている保育士さんにアドバイスがあればお願いします。

さくらさん
私は、転職活動をしていく中で様々な園や保育士の考え方に触れ、自分の理想の保育というものが見えてくることができました。一つの園で長く務めることも、自分に合っているならばいいとは思いますが、無理して長く頑張りすぎる必要はないと思います。

すぐには自分に合う園が見つからないかもしれませんが、行動すれば何かしら変わります。何か月で辞めようと決めるのは自分なので、「1か月で辞めた」から悪い、「3年頑張った」から偉いといったことはないと思います。

転職は悪いことではありません。自分の心とじっくり対話して、周りの目や意見は気にせず「本当の自分はどうしたいか?」を考えてみるといいと思います。

さくらさんの次の転職活動はこちらの記事インタビューしています。

保育観が合わず半年で小規模保育園 から企業内保育所へ転職

2018.06.26

編集部より:

編集部
今回は新卒で認定こども園で働き、その後小規模保育園の臨時職員として転職されたさくらさんにお話を聞きました。

臨時職員として入職しても、その環境が良くなかったことはとても残念でしたね。口コミなどを自分で知らべていても、どうしても調べきれないこともあります。内部事情を知っている人がいれば心強いですが、なかなかそういうわけにもいきませんよね。

確かに、無理をして心を病んでまで長い間勤める意味はありません。大切なのは自分は何をしたいか、どうしたいのかということです。

転職に使うエネルギーや時間は膨大なもので、簡単なことではありません。それなのに「働いてみたら実は○○だった」というのは極力避けたいことです。

そのためにも、内部事情に精通している転職コンサルタントに相談しながら転職活動を進められるといいですね。

2018