保育士がすべき夏風邪の予防!怖い3大夏風邪と役立つ予防法

夏になると保育園での流行が怖いのが夏風邪。6月から8月に流行することの多いウイルス性の感染症で、1人が感染するとあっという間にクラス中に広がってしまうこともあります。
そうならないためには、保育士の早めの対策が必須。また、子どもに感染するイメージが強い夏風邪ですが、大人でも感染するんです。

夏風邪にはそもそもどんな種類があるのか、そして子ども達と自分の感染予防のために保育士ができる予防策をご紹介します。

手足の発疹が見られたら「手足口病」を疑う

手足口病の【症状】

手の平や足の裏、肘や膝、口の中や周り、時にはおしりにも水泡が現れ、発熱する場合もあります。発熱は3日程度、水泡は1週間程度で収まりますが、発症後1か月以上経った後に爪が剥がれることもあります。

子どもの場合は手足の水泡は痛がらないことがほとんどですが、口の水泡は痛がりひどい場合には食事が摂れなくなることもあります。

稀ではありますが、大人が発症した時には手足の水疱にも強い痛みを感じます。

手足口病の【予防方法】

「接触感染」「飛沫感染」が主な感染経路ですので手洗い、うがいとマスクの着用をしましょう。また、玩具や子どもが触れる部分を中心とした消毒も効果的です。

アルコールによる消毒は利きづらいウイルスですので、次亜塩素酸ナトリウムを基準値に薄めて消毒をする必要があります。

次亜塩素酸ナトリウムとは、ピューラックスなどが一般的で、保育園では常備されていることが多いと思います。注意点としては、子どもがいる部屋で使用しないようにしてください。

乳児クラスではうがいは難しいと思いますので、活動の区切りでお茶や白湯を飲むだけでも予防につながります。マスクも子どもが着用することは難しいですが、発症した子どもいる時には、保育士は必ず着用しましょう。

また、便からは1か月ほどウイルスが排出されますので、おむつ替えは手袋を着用してくださいね。

高熱と喉に水泡が見られたら「ヘルパンギーナ」の可能性大

ヘルパンギーナの【症状】

喉の奥に水泡ができると同時に39℃以上の高熱が出ます。高熱は1日から3日ほど続き、手足口病よりものどの痛みが強くあります。食べ物だけではなく水分を摂ることを嫌がる場合もあり、脱水症状に気を付けなければなりません。

ヘルパンギーナの【予防方法】

手足口病と同じく、「接触感染」「飛沫感染」が主な感染経路です。こまめな手洗いうがい、マスクの着用、身の回りの物の消毒を徹底しましょう。ヘルパンギーナを引き起こすウイルスもアルコールへの抵抗力が高いウイルスです。

そのため、消毒方法としては次亜塩素酸ナトリウムが有効。子どもがいる場所での消毒は危険ですので、1度使った玩具は使わずに避けておいて午睡中や降園後などに消毒をしましょう。

便からもウイルスが排出されますので、おむつ替え時には手袋着用で!

高熱と目の充血が見られたら「咽頭結膜炎(プール熱)」を疑う

咽頭結膜炎(プール熱)の【症状】

咽頭炎からくるのどの痛みと結膜炎が原因の目の充血、そして数日から1週間程度高熱が続きます。熱は39℃以上出ることも多く、頭痛を引き起こすことも。

咽頭結膜炎(プール熱)の【予防方法】

他の夏風邪と同じく「接触感染」「飛沫感染」が主な感染経路ですが、プールの水を介して感染することもあるため「プール熱」とも呼ばれています。

予防策としてはこまめな手洗い、マスクの着用、身の回りの物の消毒に加えて、プールは適切な塩素消毒をすることで感染の拡大を防げます。

消毒方法は、次亜塩素酸ナトリウムか消毒用エタノールが効果的であるとされています。手足口病やヘルパンギーナと感染時期が同じであることから、次亜塩素酸ナトリウムでの消毒が1番効率的ですね。

便からも他の夏風邪と同様に1か月程度ウイルスが排出されますので、手袋の着用をおすすめします。

正しい予防方法で夏風邪の流行を乗り切ろう!

夏風邪の感染拡大予防には、手洗い、うがいとマスクの着用、適切な方法での消毒が不可欠です。

また、感染した子どもがいる場合には、もちろん名前は伏せた状態で全保護者に伝えることで、自宅での様子を注意深く見てもらうことができます。

園での予防策と保護者との連携で、子どもへの感染拡大と自分への感染も予防しましょう。