市のモデルケース園、事業所内保育所の主任・施設長として勤務後、認定こども園に転職

新規オープンの事業所内保育所で主任、施設長として勤務、その後認定こども園に転職されたゆきさんにお話をお伺いしました。転職サイトを利用しての転職ということで、事前に園長先生がどんなか方かわかっての面接でした。

名前: ゆきさん
年齢: 43歳
保育士歴: 22年
性別:女性
地域:兵庫県
雇用形態: 事業所内保育園 正職員⇒認定こども園 正職員

転勤命令が出てしまい転職を決意

編集部
以前はどのよう職場で働いていたのですか?
ゆきさん
新規オープンの事業所内保育園で主任、施設長として勤務していました。その園は神戸市おいてモデルケース園としてオープンし、保護者をはじめクライアント、他企業、行政からも大変注目される園となり充実した時期を過ごしました。
編集部
とても良い職場だったんですね。それなのにどうして転職しようと思ったのですか?
ゆきさん
採用元がこの事業所に直接雇用されているのではなく、保育を専門とした受託業者であったため転勤命令が出てしまいました。新たな挑戦をしたい思いはありましたが、通勤に片道2時間もかかるのは家庭との両立は困難と判断し、転職を決意しました。

転職は「保育士バンク」を利用

編集部
実際、どのようにして転職活動を進めていきましたか?
ゆきさん
まずはハローワークに登録しました。ですが、ハローワークの利用は窓口業務が平日に限られているため頻繁に休暇を取ることは出来ないので、「保育士バンク」に登録しました。
編集部
「保育士バンク」は保育士転職でも大手のサイトですね。「保育士バンク」を使っての転職活動はどうでしたか?
ゆきさん
登録後2日ほどたってから保育士バンクの担当者より電話連絡があり、希望する様々な条件や保育に関すること等ヒヤリングが数回行われ全ての条件に当てはまる園を見つけてくれました
編集部
すべての条件が揃うというのは凄いですね。面接に向けて、コンサルタントと何か対策はしましたか?
ゆきさん
登録からわずか2週間ほどで面接日設定までを行って頂きました。面接日までもコンサルタントと履歴書の内容や面接における心得など、数回に渡って連絡を取り合いました。また、園の方針や取り組み内容をホームページで見たり、出身大学に問い合わせたりし、情報収集をしておきました。
編集部
履歴書チェックや面接の心得などを話してもらえるのは心強いですね。

事前に園長の情報を知っての履歴書作成

編集部
履歴書の志望動機はどのように書きましたか?
ゆきさん
園長先生がご高齢との情報をコンサルタントから聞いていたので、出来るだけ字を大きくはっきりと記入しました。志望動機等もだらだらと書くのではなく、自分の保育観や大切にしていることを箇条書きにし、詳細は面接できちんと応えられるようにしました。
編集部
事前にそのような情報がわかるのはいいですね。自己PRはどのように書きましたか?
ゆきさん
これまでの経験した学年の児童数や男女比、年間行事での担当歴、役職を頂いていた時はその業務内容も記入しました。保育に即戦力があることを自慢ではなく、あくまでも経歴として記入するようにしました。

面接での実技試験・筆記試験の内容

編集部
面接はどのような感じで進んでいきましたか?
ゆきさん
面接内容は、施設長経験があったためか保育内容よりも園運営についての質問がほとんどでした。

食物アレルギーについてのマニュアル作成経験
アレルギー対応について研修経験  
クレーム対応の具体策 
行政の対応 
職員の指導において気を付けていること 
職員の勤怠管理の方法 
このようなことを聞かれました。
編集部
確かに。保育というよりも経営につていの質問ですね。では実技試験のようなものはありませんでしたか?
ゆきさん
ありませんでしたが、一応準備はしておきました。念のため好きな絵本やや季節の歌、季節感のある製作物の案、その園の保育方針から読み取って月案等のカリキュラムのシミュレーション等を考えておきました。

帰る際には「採用」を頂き、担当者にその旨を報告すると大変驚かれました

保育スキルの向上に転職は良い機会

編集部
実際に働いてみてどうでしたか?
ゆきさん
現場の職員は温かく迎えてくれました。ただ、園長先生との関係がうまくいっておらず、40代の私を採用した理由は現場との仲介者が欲しかったのだとすぐにわかりました。現場の思いと園長先生の思いをくみ取り連携し、現場には園長先生への伝え方等もアドバイスしたりし、信頼関係の再構成に勤めました。
編集部
最後に、転職を考えている保育士さんにアドバイスがあればお願いします。
ゆきさん
保育士は責任が重く、体力的にも精神的にも大変です。ですが、子どもたちの成長する姿に寄り添っていくことはその子の人生の一部に寄り添うことです。

数字では中々結果の出ない職業ですが、子どもたちや保護者に信頼され、一人一人の成長を見守ることは大変やりがいのあることだと思います。

常に向上心を持っていれば可能性は大きくあります。新たな職場で新たな関係を築いていくことは最初は緊張しますが、その新たな出会いを原動力としてさらに保育スキルを向上させるために転職はいい機会になると思います。

編集部より:事前に面接の準備をしていくことは重要

編集部
今回は神戸市のモデルケース園で施設長をされていたゆきさんの転職体験談をお話いただきました。転職活動では「保育士バンク」に登録されたこともそうですが、面接の対策を十分にされていた点が採用に至った大きなポイントでしょう。

高齢の園長が読む履歴書は大きくはっきりと
コンサルタントと面接の心得を数回にわたり確認
園の方針や取り組み内容をホームページで確認
実技試験も園に合わせたものを準備

このようにしっかりと面接の準備をすることで、当日はどんな質問が来ても慌てることなく落ち着いて答えることができます。準備しても、準備しすぎるということはありません。園はどのような人物を求めているのか?その園に自分はどうアピールすることができるのか?をしっかりと準備しておくといいでしょう。

「保育士バンク」のような転職サイトのコンサルタントは転職のプロ。そして保育士業界に精通しています。普段から園とやり取りをしているため、園長の人柄や職場の雰囲気も知っていることがあります。今回の場合は「園長がご高齢」という情報を事前に知っていたため、履歴書の準備や面接の準備に生かすことができました

そのような内部事情は知っておいて損することはありません。面接の対策として、そして入職後に「こんなはずじゃなかった」ということがないよう、事前にできるだ限りの情報収集はしておいた方が良いです。転職サイトはすべて無料で使えるので、コンサルタントと相談しながら転職活動をしていくのがいいですよ。

2018