保育士の悩みの1つ、噛み付きをする子どもの接し方

噛み付きをする子どもの接し方

保育園でのトラブルの1つに、子どもが噛み付くということがあります。集団生活をしていると、どんなに子ども達に目を配っていても、喧嘩などのトラブルは絶えません。それも成長の1つ…と思いたいですが、子どもが噛み付かれて、傷が残ってしまうのはいけませんね。子どもの噛み付きにはどのように接したらよいのか見ていきましょう。

噛み付きの3つの原因

自分の思いを言葉にできない

1、2才頃の子どもは、こうしたい、ああしたいと欲求があっても、上手く言葉にできません。そのため、欲求を通すためについ噛み付いてしまうことがあります。

お友達との接し方が上手くできない

例えば、「貸して」という簡単な一言ですが、言葉が上手く言えない子どものうちは、おもちゃを貸してもらうというやり取りもまだ練習段階です。そのため、言葉より先に噛み付きが出てしまうのです。

口が発達してきている

気になったものは何でも口に入れてみたいと思うのは、子どもの発達段階の1つです。喧嘩などのトラブルもないのに、お友達の腕がそこにあるだけで噛んでしまうという子どももいたりしますよね。発達段階の1つといえど、お友達をかむことはいけないと教えなければなりません。

噛み付きの予防は、子どもの様子をよく見て、いけない事だと教える

噛み付きを予防するには、子ども達の様子をよく見ていることが大切です。もちろん、噛み付きがいけないと教えることも大切です。年齢がある程度大きくなれば理解できるでしょうが、小さいうちはまだ理解は難しいでしょう。

その都度、根気よく「相手の子は痛いんだよ、噛み付きはいけないんだよ」とお話をしてあげ、噛み付きそうになったら、保育士が止めてあげましょう。

とはいえ、常に全員の子を噛み付かないように…と見張ることはできませんね。噛み付きを繰り返している子や、トラブルが起きている子を特に注意深く見てあげるようにしましょう。

保護者への対応方法

噛み付いてしまった子どもの保護者への対応

噛み付いてしまった時の状況を詳しく説明しましょう。その上で、保育士が噛み付きを防いであげられなかったことを謝罪し、子どもとも噛み付きはいけない事だとお話をした旨を伝えましょう。

名前
お友達とおもちゃの取り合いで喧嘩になり、○○くんが△△くんに噛み付いてしまいました。保育士が側でついていながら止めることができず、申し訳ありません。噛み付きはいけないことだと○○くんともお話し、分かってくれたようです。以後、このようなトラブルが怒らないように気をつけますね。
保護者が相手の保護者に謝罪を求めてきた場合は、保育園側が取り次いであげるといいでしょうが、謝罪を強要する必要はありません。

同じ子ども同士の噛み付きが続く場合は、保育士一人で決めず、主任や園長と相談して、謝罪のやり取りの方針を決めてください。

噛み付かれてしまった子どもの保護者対応

こちらの場合も対応は同じです。状況を詳しく説明し、防げなかったことへの謝罪、怪我をした場合は、処置の内容と現在の状態を詳しく説明しましょう。

名前
お友達とおもちゃの取り合いで喧嘩になり、△△くんが噛まれてしまいました。保育士が側でついていながら防ぐことができず、申し訳ありません。傷の処置ですが、すぐに流水で冷やした後、タオルで冷やして傷には軟膏を塗ってようすを見ています。現在は、青く内出血がおきている状態です。お家でも様子を見てあげてください。
噛み付いた側の子どもの名前は、基本的には出しません。しかし、噛まれてしまった方は気になりますね。もし、保護者側から聞いてきた場合はどうするのかは、園の方針に従ってください。勝手に教えてトラブルにならないようにしましょう。
担任や側にいた保育士が直接状況を説明するのが一番いいですが、シフトの関係で保護者のお迎えに出られない時は、お手帳に状況を詳しく書き、遅番担当の保育士に代わりに説明してもらいましょう。後日、保護者にある機会があったら、改めて謝罪しましょう。

噛まれた子どもの処置はしっかり行う

噛まれた子への処置はしっかり行いましょう。傷跡が残らないようにすぐに手当てをします。まずは流水で幹部をしっかり冷やしましょう。

清潔なタオルで冷やしても構いません。この時に揉みこむと歯の跡が残りにくいと言われていますが、内出血を広げる原因になり、子どもも痛い思いをしてしまいますので、やめましょう。出血を伴う場合は止血をし、軟膏を塗ってあげます。

噛み付きする子どもには、根気強く向き合いましょう

噛み付きがある子どもは愛情不足、家庭に問題があるなどということを思われがちですが、決してそればかりが原因ではありません。

愛情をしっかり受けている子どもでも、噛み付きはよくあることですので、あまり子どもや保護者を責めないことです。

噛み付きがあるのは困りますが、大きくなるにつれて理解力が増して来れば、少なくなってくることでしょう。噛み付かれたら痛い、悲しい、いけないことだと、根気強くお話ししてあげてくださいね。