保育観とは、自分がどんな保育がしたいか、子どもとどのように関わりたいか、などの自分が大切にしている保育への考え方です。
この保育観は保育士によってさまざま。
勤務先を選ぶ時には、自分の保育観に近い園を選びますが、それでも働いている保育士が皆同じ保育観を持っているわけではありません。
保育観の違う保育士とクラスを組んだ時には、関係が上手くいかずに悩むこともあります。保育観が違う保育士と一緒に保育をする時には、どのように対処すれば良いのか。具体的な対処法を3つご紹介します。
子どもとの関わりの中で違いを感じる時は話し合いを
子どもとの関わりの中で保育観の違いを感じることはたくさんあります。
例えば、給食の場面を1つ挙げても、1人の保育士は苦手な物は無理をして食べさせることはないと考えている。しかし、もう1人の保育士は1口でも挑戦できるように関わりたいと考えている。
その保育観の違いはそのまま子どもへの働きかけに繋がり、働きかけの違いは子どもを混乱させます。
保育士同士で関わり方が大きく違うと混乱するのは子どもです。早急に保育士同士で話し合いをして、関わり方を合わせる必要があります。
まずは具体的な場面を挙げて、自分の考えと相手の考えを明確にしましょう。相手が先輩保育士の場合には言い出しづらいかもしれませんが、「相談」という形で話を持ち出すと話しやすいですよ。
相手の考えを聞いて納得できれば、自分の関わり方を相手に合わせます。相手の考えに納得できない時には、自分の考えを冷静に伝えましょう。
時には言い合いになることもありますが、言い合いになったとしても話し合うべき題材です。
どうしても話し合いがまとまらない時には、園長や主任などに話し合いに参加してもらうことをおすすめします。
同じように子どもとの関わりでも、子どもとの遊び方は保育士それぞれの個性があって良い部分です。たくさんの保育士と多くの遊びを経験することは子どもの成長にプラスになります。
保護者との関わりの中で違いを感じる時はアドバイスを
保育士にとって保護者との関わりも大切な仕事の1つです。しかし、保育士が皆同じように保護者と関わっているわけではありません。話し方や関係の築き方の中で違いを感じることも。
保護者との関わり方は、保護者がどのように受け取るかということを考えて関わることから始まります。子どもの様子を伝える時にも、伝え方1つで印象は全く変わります。
保育士になりたての頃は、保護者との関わり方がわからないという人も多く見られます。
先輩保育士という立場から後輩保育士の関わり方が違うのではないかと感じた時には、ぜひ関わり方のアドバイスをしてあげてください。
後輩保育士の立場から、先輩保育士の関わり方が違うのではと感じた時には、それを変えることは困難。先輩保育士はある程度自信を持って保護者対応をしているからです。
良いと思った対応方法はどんどん真似をしてください。あまりにも対応が悪くクレームに繋がるのではと感じた時には、主任や他の先輩保育士に相談をして、上の立場の保育士から伝えてもらうことをおすすめします。
クラス作りの中で違いを感じる時は目標を挙げてみよう
クラス担任を持った時には、子ども1人ひとりとの関りはもちろんですが、同時にクラスとして目指す方向も決める必要があります。
- 友達と協力して1つのことをやり遂げられるクラス
- 皆で助け合えるクラス
- 遊びとのメリハリのあるクラス
これらはクラスとしての目標です。
担任同士がクラスとして目指す方向が違うとクラスはまとまらず、子どもの成長の邪魔をしてしまうこともあります。
まずは担任同士で一緒に、担当をしている年齢に適した目標を全て挙げてみましょう。自分が目指す保育だけではなく、保育所保育指針などを参考に全て挙げます。
その中で、園の保育方針や子どもたちのカラーに合ったもの、そして自分達の保育観に合った物を抜粋します。複数あると思いますが、1つに決める必要はありません。その中で、子ども達の成長を見ながら短期的な目標をたてます。
1か月ごとなど短期的な目標を立て続けることで、子ども達の姿から年度末に目指す方向が自然と見えてきますよ。
自分達の保育観でクラスの目標を決めようとすると担任同士で揉めますし、子ども主体の保育はできません。
あくまでも子どもの姿をもとに、クラス作りをしてみてくださいね。
より良いクラス作りには話し合いが不可欠
保育観の違いは、複数の保育士でクラスを担当することの多い保育園では、ストレスに感じることも多くあります。
まずは自分の考えを伝え、相手の考えも聞くことから始めましょう。より良いクラス作りには話し合いが不可欠です。
お互いの意見が合わずに話し合いが平行線のままという場合には、無理をせず園長や主任に間に入ってもらいましょう。
保育観が違う保育士との話し合いに余計にストレスを感じることもありますが、そこは子ども達のためと割り切って。冷静な話し合いを心がけてくださいね。