保育士をしていると、様々な子どもと接する機会があります。発達障害を持った子どもと出会い、悩むこともあるかもしれません。保護者との関係もデリケートになります。発達障害の子ども、もしくは疑いのある子どもと出会ったら、どのようにしたらいいのでしょうか。
発達障害の種類と特徴
発達障害にはいくつかの種類があります。
広汎性発達障害
自閉症、アスペルガー症候群など。発達の過程で、いくつかの障害が同時に起こります。特徴としては、視線が合わない、言葉が遅い、同じ行動を繰り返す、まねしない、指さししない、表情が豊かでない、興味を示さない、ごっこ遊びをしない、順番ややり方にこだわりがある、突然大声を出すなどが挙げられます。
注意欠陥・多動障害(ADHD)
落ち着きがなく、衝動的に行動してしまうのが特徴です。注意力、集中力がなく、忘れ物が多くなります。
学習障害(LD)
読む、書く、聞く、話す、計算する、推論するということのいずれかを行うことが難しくなります。知的な遅れはありません。
定期健診で見つかることもありますが、ケースによってはある程度成長しないと分からない事もあります。
保育士が勝手な診断はしないように
子ども達には個性があります。保育士が発達障害ではないかと感じても、それはその子の性格ということもあるかもしれません。
保育士は保育のプロですが、発達障害に関する療育のプロではありません。知識はあるのでしょうが、「この子は発達障害だ」と診断するのは、別のプロがすることです。決して決めつけたりはしないでください。
発達障害が分かっている場合、手厚いサポートを
医師から診断を受け、保護者も納得したうえで療育を受けているという子どもの場合、医師の指示や保護者の要望には極力沿うようにしましょう。必要ならば、副担任をサポートとして付けるなどして対応します。
発達障害のある子が、集団で生活をするというのはとても大変なことかもしれません。子どものケアやフォローは、しっかり行ってあげてくださいね。
保護者への報告は慎重に
保護者が気が付いていない場合、グレーゾーンを疑う子がいても、保護者への連絡は待ってください。
まずは主任や園長に報告、園でケース会議を開き、他の保育士の意見も聞いて慎重に対応しましょう。場合によっては市町村の保健師さんなどとも連絡を取り合い、対処するべき案件です。
保護者は自分の子どもが発達障害の可能性があるという現実を受け止めるのは大変辛いです。伝え方にも十分配慮しなければなりません。
中には、本当に受け止めきれずに、適切な治療を拒む保護者もいます。病院で適切な治療を受けたり、療育に通うことで改善する可能性があるということも伝えてあげてください。
みんなが楽しく過ごせる保育を目指そう
発達障害がある子は、6%と言われています。保育士を続けていれば、出会うこともあるでしょう。発達障害がなくても、様々な性格の子どもはいますので、その子だけ特別ということは決してありません。
みんなが平等に、楽しい時間をすごせるように、保育士は全力でサポートしてあげたいですね。