保育士の正社員はとても責任の重い立場です。子どもの命を預かると同時に事務作業や保護者対応など正社員ならではの仕事内容も多く、責任の重さと仕事量の多さに「辞めたい」という4文字が頭に浮かぶこともありますよね。
そんな時には、正社員以外の保育士という働き方も1つの選択肢です。保育士は、正社員以外にどんな働き方があるのかを詳しく見ていきましょう。
保育士の正社員以外の4つの働き方
保育士は正社員以外にも働き方が選べる職業です。代表的な4つの働き方についてご紹介します。
契約社員として働く
契約社員の保育士とは、契約期間の定めを設けて保育園が雇い入れる保育士です。正社員の補助的な立場となりますが、仕事内容は正社員とほとんど変わらず、担任補助だけではなくクラス担任に抜擢されることもあります。時間帯はフルタイムで働くことがほとんどです。
クラス担任になった場合には、正社員と同じように事務作業や保護者対応も行う必要がありますし、仕事が終わらなければ残業や持ち帰る仕事がある場合もあるでしょう。
給与は月給制ですが、正社員よりも低く定められている場合が多く、賞与の支給がない場合もあります。しかし、保育士が急に必要になった時には、保育士の平均給与よりも高い額で求人を出す場合もありますので、自分が求める収入を得られる職場を見つけることが重要です。
正社員と仕事内容は変わらずに給与が低い場合が多いと聞くとデメリットばかりのように感じますが、もちろん契約社員のメリットもあります。
1番のメリットは、自分に合わない職場であると感じた時に退職がしやすいということです。
契約社員は多くの場合、1年に1回契約更新があります。保育士が不足している現在、契約を更新する保育園がほとんどですが、保育士の側から契約更新をせずに退職することも可能なのです。
反対に、良い職場環境でこのまま働いていきたいと考えた時には、契約社員から正社員として採用される可能性もあります。
実際に働いてじっくりと見定めたうえで長く務める保育園を決めたいという人にとって、は契約社員という働き方も1つの選択肢としておすすめです。
契約社員のお給料・メリット・デメリットまとめ
お給料:正社員よりやや少なめ
メリット:退職がしやすい
デメリット:正社員と仕事内容は変わらない
派遣社員として働く
派遣社員の保育士とは、派遣会社と契約をして保育園に派遣をされて働く保育士です。
契約者はあくまでも派遣会社ですので、派遣会社で定められた勤務内容と勤務時間内で働き、残業はありません。まれに残業がある場合もありますが、その分の賃金も支払われます。
給与は時給制で、1,000円~1,300円程度のところが多くなります。賞与はありませんが、1日7時間、週に5日働くとすると、月に18万ほどの収入が見込める計算です。
また、派遣社員として働くメリットとして、希望条件を派遣会社に伝えそれに合う職場を紹介してもらえるので、ライフスタイルに合わせた働き方ができるということがあります。勤務内容としても、担任の補助的な仕事が多いので、責任の重さやプライベートな時間が持てない悩みを抱えた方にはおすすめの働き方です。
デメリットとしては、派遣社員は1つの派遣先に最大3年間しか派遣されないという定めがあることです。しかし、保育園と派遣社員の双方が望む場合には、直接契約へと移行できる場合もあります。
派遣保育士のお給料・メリット・デメリットまとめ
お給料:時給1,000円~1,300円程度
メリット:ライフスタイルに合わせた働き方ができる
デメリット:正社員に比べて収入が減る・1つの派遣先に最大3年しか派遣されない
パート保育士として働く
パート保育士とは、時間や契約の定めがある非正規雇用の保育士で、朝や夕方の時間外保育の時間帯や日中の保育が忙しい時間帯などの求人が多くあります。
パート保育士であっても、保育士資格を持っている場合には保育士の1人として数えられますが、仕事内容としては正社員保育士の補助的立場です。事務作業や保護者対応などは正社員の仕事ですので、パート保育士は子どもとの関わりや正社員の指示を受けた環境整備などが主な仕事です。
どちらも大切な仕事ですが、クラスを作り上げていく責任や事務作業の多さ、保護者対応に疲れてしまったという方にとっては、子どもとの関わりが主なパート保育士はおすすめです。
給与は時給制で、950円から1,200円程度のところが多く賞与はないことがほとんどです。残業はほぼありませんが、もし残業をした場合には必ず残業代が発生します。
正社員の保育士よりも大分収入が減るというデメリットはありますが、定められた時間内の勤務で、仕事に追われることなく子どもと関わることができるという面は、大きなメリットであると言えますね。
パート保育士のお給料・メリット・デメリットまとめ
お給料:時給950円~1,200円程度
メリット:決められた時間内で働ける
デメリット:正社員に比べて収入が減る
フリーランス保育士として働く
1つの保育園に所属しない働き方として、フリーランス保育士があげられます。フリーランス保育士の代表的な職業はベビーシッターです。
ベビーシッター派遣会社に登録をしたり、個人のベビーシッターとしてお客様から依頼を受けて、基本的には1対1で子どもの保育をします。中には1対1ではなく、保育士が不足している保育園に、1日単位で派遣をされて保育をするという依頼もあります。
時給は、ベビーシッター派遣会社に登録をした場合には、1,000円程度。保育士資格保有者は、高く設定されていることが多いです。個人で受託した場合には、自分で定めた保育料がそのまま収入となります。
事務作業や残業はありませんし、自分の働きたい曜日や時間を設定して働くことができるというメリットがあります。
デメリットとしては、コンスタントに依頼がくるわけではないので収入が安定しないことです。自由な働き方を望みたいという方にとっては、選択肢の1つとなりますね。
フリーランス保育士のお給料・メリット・デメリットまとめ
お給料:時給1,000円程度
メリット:自分の働きたい日を指定して働ける
デメリット:収入が安定しない
保育士がさまざまな雇用形態で働ける施設
ご紹介した4つの働き方以外にも、保育士が正社員以外として働ける施設はたくさんあります。その一部をご紹介しますね。
児童支援員(学童保育)
院内保育室
児童養護施設
児童発達支援施設
乳児院
保育士資格が必須の場合もあれば、保育士資格優遇という求人もあります。保育士は求められていますので、選択肢を広げて探す方法もありますね。
保育士は今いろいろな場所で必要とされています。正社員でなくてもそれは同じです。正社員とこだわることなく自分に合った働き方を見つけてくださいね。
2018