【保育士1年目】失敗続き、でも毎日が楽しかった1年目

保育士1年目 Story:01

保育士1年目、新卒で採用された保育園でいきなり3歳児クラスの担任になりました。右も左も変わらず、ただ必死に頑張っていました。それと同時に、何もかもが初めてで体験することが新鮮で、子どもと過ごす毎日は楽しいものでした。

子供が好き、ピアノが活かせる保育士を目指すことに

私が保育士になろうと思ったのは、ピアノを長年続けていたので、それが生かせる仕事がないかと漠然と思っていました。

中学生のころに歳の離れたいとこが生まれ、初めて抱っこをさせてもらった時に小さい子どもはなんてかわいいんだろうと感じました。ピアノが活かせて自分の好きなことができる仕事は保育士しかない!と思い、保育科のある短大への進学を目指すことにしました。

環境に恵まれ保育士1年目をスタート

無事学校を卒業し、とある小さな保育園への就職が決まりました。子どもの数も60人ほどで、職員も12人しかおりませんでしたが、職員も子供たちも保護者までもが仲が良く、とても働きやすい環境でした。

人数が少ないので、新卒ではありましたが3歳児クラスの担任を持つことになりました。学校では保育の基礎知識を学んできたとはいえ、活動、制作、書類、お手帳、行事の準備、段取り…学校で学ぶものと現場で感じるものは全くの別物です。

子どもが喧嘩を始めれば、解決の手助けをするのは保育士の仕事でしたが、子どもは私の言うことなんか耳に入りません。「喧嘩はダメだよ。」「ごめんなさいは?」そんな言い方しかできず、喧嘩の1つも解決できない自分がとても情けなく思いました。

そんな時は同じ以上児を担任していた先生がフォローを入れてくれました。また、「こうしたらいいんだよ」というアドバイスもくれ、少しずつですが仕事と保育のコツを教えてもらいました。

先輩の保育テクニックを真似しようと毎日必死になっているうちに、少しずつ子ども達とも打ち解けられ、やっとまともな保育ができるようになりました。

失敗続きだけど、それが当たり前の1年目

やっとまともな保育ができるようになったとはいえ、保育のテクニックが身についたといえるほど成長したわけではありません。

絵本の読み聞かせをしても子ども達はすぐに飽きてしまう、制作で折り紙をしていても上手く伝わらない、誕生会の司会なんて段取りが悪くてめちゃくちゃで散々でした。

その度に落ち込んで、私は保育士に向いていないな…と思う日々でした。そういう態度は周りにも伝わってしまうようで、ある日、私とはほとんど接点のなかった年配の未満児担任の先輩に言われました。「1年目なんて上手くできなくて当たり前。できる方ことの方が少ないよ。」その言葉をもらった時、肩の荷がすっと軽くなりました。

そうか、できなくて当たり前なんだ。とにかく今は勉強の時期、いちいちへこんでなんていられない。そう思い、どうしたらいいのか反省はするけど、くよくよするのをやめて前向きに考えることにしました。

そして、周りの先輩方は見ていないようで自分を気にしてくれていた事にも気が付き、感謝の気持ちでいっぱいになりました。

子供たちと一緒にいるのがとにかく楽しい

保育テクニックが足りない私はとにかく子どもと全力で遊ぶことはこころがけていたので、子ども達は私と好んで遊んでくれました。子ども達と一緒だと、毎日発見だらけ。

大人の視点からは見えないような面白い話題を振られ、私の方が関心していました。一緒にいると、子ども達の興味のありそうな視点が見えるようになってきました。

例えば、ただのゴミ袋1枚でもゴミ箱にかぶせる前に空気を入れて膨らませてあげると喜ぶとか、保育士がかぶせれば早いけど、当番制にすれば子ども達がそれを楽しみにしているとか。

子ども達と全力で楽しむ姿は保護者も見ていて下さったようで、認めてもらえたのかな、感じることもあり、半人前意識の強かった私は嬉しく思っていました。

保育士を始めてから1年を振り返ってみて

とにかく学ぶことと保育を回すこと、子どもと全力で遊ぶことに必死でした。何も分からないし失敗ばかりでへこむことが多くありましたが、何でも勉強という気持ちは忘れませんでした。

一生懸命だった分、初めての体験や楽しかった出来事は、長い保育士生活の中でも1番大きな思い出として残っています。

私は周りの環境にも恵まれていたので、大変なことがあっても乗り越えられたのだと今でも思います。

転職はまだ早いと感じた1年目

1年間がとても楽しいものだったこと、私を指導してくれた先輩や保育園のことを考えると、転職はまったく考えていませんでした。できればこの先何年もこの園で働いていけたら嬉しいと考えていました。